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カスタマーレビュー数:11
販売価格:1680円
中古価格:295円
定価:1680円
発売:バジリコ
発売日:
出版日:2008-07-12
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ランキングには入っていません
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真にラディカルな思想家の日本論
2008-08-25
24人中 17 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
内田さんの思想は倫理学者エマニュエル・レヴィナスに影響を受けているだけあって、「他者と共に生きる」とか「礼を重んじる」といった倫理的なことが書かれています。道徳とか倫理とか聞くと鼻白む人もいると思うけど、しかし一方で、というべきか、と同時に、というべきか、内田さんは発想の仕方と結論がそこら辺の自称ラディカリストさんよりもよっぽどラディカル(=過激・根本的)なことも書いています。しかもあくまで当たり前のことを書いてるかのような柔らかい文体で。 <br />「改革をやめろという方がよっぽどラディカルでアクティヴなスローガンなのである」(269p)とか「「ただちに変革を」というような定型的な言いかたをこそひとつ「ただちに変革」されてはいかがであろうか」(255p)といった具合に。 <br /> <br />ぼくは割と「人はもっと自分勝手に生きてもええんじゃないか」などと思っているんですが、各テクストのタイトルや書き出しの主張に「へ?」と思っても、文章を読んでるうちに内田思想独特の論理展開に引き込まれ、各テクストを読み終わる頃には「そうかも・・・」と納得させられてしまうのでありました。 <br />内田さんの文章を読んでると、倫理とラディカルであることって矛盾しないんだなあというか、「矛盾を矛盾として生き、引き裂かれてあることを存在の常態とするような人間の成熟(228p)」みたいな話は何度か登場するのですが(55年体制支持とか愛国者は愛国を語ってはいけないとか)、これが内田さんの思想の根幹なのかもしれません。 <br /> <br />いつも手の届く範囲において何度も読み返したい本です。 <br /> <br />
偉い先生のごもっともなご意見ばかりで恐縮しました!
2010-02-27
2人中 2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
私だけの感じたことかもしれないが、著者の目線が気にかかった。 <br />目線というよりスタンスかもしれない。 <br />そのスタンスのレベルが一段と高いところから眺めて書かれているように思いながら読み終わった。 <br />横文字が多いし、偉大な哲学者などの引用もかなり多く、普段お目にかからないような単語も結構多く使用されているような気がした。 <br />本書の中で、著者が小泉、安部政権に対してかなり批判的なことを書いている部分が私にとって一番の救いであった。 <br />まー、本なんて解ってくれる人だけに解ってもらえばいいのだが、「こんな日本人でよかったね」なんていうタイトルではなく、副題「構造主義的日本論」のほうが、この本のタイトルにふさわしいのではなかったかな?
現代日本社会を「読み解く」ための最良のテキストの一ではなかろうか
2008-08-16
36人中 24 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「哲学的思考=議論の前提に対する懐疑と事物の始原からの考察」による秀逸な日本社会論。本書の内容を熟読玩味することを日本の大学の教養課程(2年)の必須科目としてもよいような本。個人的に目からウロコであった箇所を、以下摘記すると:(1)「死者」という概念把握を通じて、人間ははじめて「自己意識」=「他者」を認識する(75頁)、(2)周囲の人間にとって「果てしなくいやな奴」になることが、「不快という貨幣」を採用した人々にとって唯一正統的な「債権回収」のありかたなのである(133頁)、(3)「自分探し」を煽り、「適職」という概念を発明したことそれ自体が、リクルートの奇跡的なサクセスの秘密なのである(153頁)、(4)家族が解体し完全な成果主義を採るような社会(マニュアル社会)ではシステム崩壊を未然に防ぐ「無償の匿名行為」には誰も興味を示さず、当事者意識(責任意識)は一向に醸成され得ない(176頁)、(5)グローバル化と差異性排除(例えば男女雇用均等)の行き着く先は、自分の代替物がいくらでもいて、「マーケット・サイズは二倍だが賃金は半分」の殺伐たる世界(195頁)、(6)社会システムを一気に改変する試みはファシズム(現代の奴隷制)を生むだけであり、それは漸進的な改良による以外はあり得ない(254頁)、などなど。それにしても、内田氏が2011年3月末日にリタイヤし隠遁生活に入る予定であったとは知らなかった(141頁)。
三丁目の夕日は日本に戻って来るのか?
2008-08-31
21人中 13 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
大ヒットした映画『ALWAYS 三丁目の夕日』で <br /> <br />描かれた昭和30年代(1950年代)・・・・ <br /> <br />脱臭され美化された虚像であるとの批判が <br /> <br />実際の30年代を知る人々からなされているようですが、 <br /> <br />内田氏の言う <br /> <br />「生活は貧しいし、国際社会でも相手にされない <br /> <br />三等国だけれど、全員が飢えるとき以外には <br /> <br />ひとりも飢えないような暖かい社会。」という <br /> <br />一面は、豊かに描かれていたのではないでしょうか。 <br /> <br />「格差社会」の是正を金で解決しようとする愚かさを <br /> <br />説いているあたりには、これからの時代を生き延びていく <br /> <br />ための指針を見たような気がしました。 <br /> <br />浅羽通明『昭和三十年代主義』と共鳴しています。
現代日本人必読の書!
2008-07-27
38人中 23 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
『「格差社会」なるものの不幸のかなりは「金の全能性」に対する人々の過大な信憑がもたらしていると思う。であるなら、「あらゆる不幸は全能の金によって解決できる」という信憑を強化することは、文字通り「火に油を注ぐ」ことにしかならないだろう。』・・・・、『むしろ「被害者」の全能性を言い募ったせいで、人々は、自分がこのまままずっと「被害者」のままであり続けられるような社会を希求するようになる。』・・・・、内田先生、鋭すぎます! <br /> この本を読む前と世界が違って見えました! <br />