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41位
インドで発禁処分となった日本マンガ!
2008-08-19
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読んでみての感想は矢張りどえらい本だった。インドを一人で旅することだけでもなかなか大変なのに、何と山松氏は単身インドに乗り込み(六十近くになって初めての海外旅行というのも感動的!)、そして日本の劇画をデリーでヒンディー語に翻訳し(英語じゃないところが圧倒的に偉い)、インド人に印刷させ、さらに路上で売り捌こうとしたのだ(実際には、努力のかいもなくほとんど売れなかった)。それにしてもマンガに頻出するヒンドゥ語のやりとりは何とも楽しい(ナヒーン!)。・・・日本にも型にはまらない実に偉い人がいるものだとつくづく感じた。また、インドを長期旅行する人は少なくないとしても、六ヶ月でここまで深くインドと関わった人はいないに違いない、と思う。 ところで山松氏がインドで売り捌こうとした平田弘史氏の劇画『血だるま剣法・おのれらに告ぐ』は1962年、部落開放同盟大阪府連の抗議で長く闇の奥に葬り去られていた問題作だ、と多くの人が指摘する。しかし、『血だるま剣法』は、今読み返してみるときわめてヒューマンな差別反対の書であるのは明らかで、差別の救いがたい暗闇(一例をあげれば差別戒名に見て取れるような)を隠し持っているわけではない。『血だるま剣法』は、問題作というよりはそういうヒューマンでナイーブであるがゆえに大阪府連の抗議をうけたのであろう、というのが僕の感想だ。 山松氏は、そういうきわめてヒューマンでナイーブな差別反対の書、『血だるま剣法』をインドの路上で売り捌こうとした。すごく発想が面白いと思う。差別が、制度・歴史・文化として確立している国へ、ヒューマンでナイーブな差別反対のマンガを突きつけインド人の抗議を期待したのか(かの地で発禁処分にでもなれば本望)、あるいは、差別が露出した国におけるヒューマニズムにある種の連帯を呼びかけようとしたのか、僕としてはいろいろと考えてみたくなる。
「血だるま剣法」を実際に読んでみればこの作品のオモシロさは2倍になるはず?
2008-05-18
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新聞の書評で「インドで日本の漫画を翻訳出版。しかもその作品は平田弘史の“血だるま剣法”」と紹介されていた。わたしは平田弘史の漫画のファンなのだが、驚きのあまり、そのまま書店へダッシュ!! 著者がインドでの出版にこだわったマンガ家平田弘史は、貸本マンガ時代からマンガ(劇画)を書き続けている数少ない漫画家の一人だ。しかも題材とするのは武士の世界一本。そして、「血だるま剣法」は、貸本マンガとして昭和37年に刊行されたものの、部落開放同盟の抗議を受け、回収・廃棄に追い込まれた作品だ。 そして、04年に青林工藝舎から、そうなるに至った経緯とその次代背景、復刻の意義、当時平田弘史が主張したかったであろうことを詳細に記した監修者呉智英の解説と「血だるま剣法」のリメイク作である「おのれらに告ぐ」を併載するかたちで復刻されるまでは、著者の初期の代表作といわれながら幻の作品と呼ばれていた作品だ。 そんな、我が国においてもその扱いがデリケートにならざるを得ない作品(しかもオリジナル作の方)をインドで出版しようとする考えがオカシイ。でも意味がよくわからない。漠然と、インドに存在するカースト制度とリンクさせたのだろうかとも考えてみたのだがやっぱりよくわからない。 巻末の対談で、作者の山松ゆうきちは「血だるま剣法」をインドで出版しようとした動機を対談者から問われたり推測されたりしているのだが、結局のところ、その答えは「面白かったから」。 そんな、とぼけまくりの人物による“海外起業ノンフィクションコミック(オビより)。面白すぎて腹が捩れます。
「インドもの」に期待!
2008-04-12
3人中 3 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
つい最近、山松ゆうきち氏の「インドもの」の漫画を読んだ。 「なんでこの人がインドの話を・・?」と思いながら読み始めたのだが、これがバカに面白い! 描かれている「生活」のリアリティが並じゃないのだ。 顔を半分焼かれた赤ん坊、親から手首を切り落とされた少女、…こういう人たちのスラムの暮らしが淡々と、しかしリアルに描かれる。 それでいて、話は庶民の下町人情話なのだ。 山松氏の絵柄で読む「インド超リアル下町人情漫画」は、えらく面白かった。 そのとき以来、「このヒト、どこでインドの暮らしを知ったのかしら」という疑問を持っていたので、本書を書評で見て即買いした次第。 いやぁ、山松さん、そういうことでしたか(笑)。 インドをネタにした漫画、これからもどんどん描いてください! あなたにしか描けない世界なんですから。
重症だ・・・
2008-04-05
2人中 2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
予備知識があれば、ただ旅行で行くのでさえ怖いなと思ってしまうインド。 何も考えていない素人まるだしの作者は、一切マーケティングもせず、インドで単身出版事業を試みます。 読めば読むほど作者の脳内に対する???が増えていき、ああこの人って重症のアレだ、と ためいきが出るばかりです(笑)。 しかし! 雑音にまどわされず自身の信念をつらぬく様は確かにすがすがしく、 サムライの心意気を感じないでもありません。 作者があくまで出版にこだわった「血だるま剣法」、読んでみたくなりました。