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思考を育てる本
2004-08-20
108人中 100 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
入試問題にこの思考の整理学の文章を見つけました。「時の試練とは、時間のもつ風化作用をくぐっているということである。風化作用は言いかえると忘却にほかならない。古典は読者の忘却の層をくぐり抜けたときに生れる。作者自らが古典を創りだすことはできない。」この部分が気になって購入したのですが、初版が20年前だったことを知り、とても驚きました。文章がまったく色褪せておらず、この本自体が、時の試練を越えているように思います。よいアイデアは、ひらめいた時に書き留めること、そしてそれを一旦頭から外して寝かせること。そして育ってきたアイデアは別の場所に移すということが、著者の具体例と共に書かれていて、実用書として機能する良書だと思います。
忘却のススメ。
2004-02-08
85人中 76 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
考えること、思考の整理方法について、体系的に書かれた入門書。最初の「考えを醗酵せよ。寝かせろ」と書かれた章は、ジェームス・ヤング著「アイデアのつくり方」と全く同じ事を言っているので、驚きました。1986年に書かれた本なので、インターネットに関する記述が無いなどいささか古い面もありますが、それでもなお今でも通用する部分が多々あります。目からウロコだったのは、「忘却する努力をせよ」ということ。これからは、人間の頭は知識を詰め込む「倉庫」ではなく、新しいものを創り出す「工場」であるべきだ。そして、思考の整理という観点から眺めると、倉庫でいう整理とは、考えをまとめること。工場でいう整理とは、いらないものを捨てること。つまり、これからの私たちに求められることは、忘却することだ。目からウロコでした。今まで詰め込み教育をされており、知識を得ることが重要だと思っていた私にとって、「忘れていいよ。いや、忘れなさい」と言われたのは初めてでした。また、著者はこんなことも言っています。「話を聞いて、つまらないと思ったことをノートに書きなさい。 そして、大切なことはノートに書くな。」どういう意味だと思いますか??かなり逆説的な意味ですが。。。詳しくは、本文を読んでみてください。「考える」という本当の意味を示唆してくれる本だと思います。
のんびり「学生している」高校生・大学生へ
2006-01-03
120人中 22 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
人気のエッセイスト?ですが、大学入試用エッセイです。大人が改めて読むほどの内容ではありません まず「受動的に知識を得る」者を大量生産している現在の教育システムの問題点を指摘されていますが、今更目新しい問題点ではありません。また「気付きをノートにとり、熟成を待つ」という「思考の整理」の姿勢と手法は、自由に問題点を探している有閑学者や学生ならともかく、少なくとも能動的に問題の発見と解決、いわゆる「カイゼン」を求められている社会人には当たり前すぎる姿勢であり、悠長すぎる手法です。 なるほど入試問題の作成担当者が、採用したくなる気持ちはわかりました。
現代でも通用する考え
2007-07-07
23人中 20 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者が一番書きたいことは、情報や思考を整理する方法ではなく、考えるとはどういうことなのかということのようです。本書の出版は1986年。本格的なコンピューター社会を迎える前兆が感じられつつあった20年前にあって、コンピューターにまかせられることはまかせ、自ら考える主体的なアタマをとなる必要性を問いています。 「とにかく書いてみる」という章には深く頷いてしまいました。 《書き進めば進むほど、頭がすっきりしてくる。先が見えてくる。もっとおもしろいのは、あらかじめ考えてもいなかったことが、書いているうちにふと頭に浮かんでくることである》 「自分が何を話すか自分で分かっていない」と言ったのは内田樹氏。「思考の整理法」とかその手の類書とは一線を画しているようにも思え、氏の考え方は充分に現代でも通用するのだと思います。
寝かせることが大切
2004-04-03
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種々のテーマについて、筆者の経験をもとにストーリー立てられ、具体的な行動を説明している。特に印象深かったのは「寝かせること」。 ・長い間、心の中であたためられていたものには不思議な力がある。つまり、しずむべきものは沈む浮かび上がるものはより鮮明となって浮かんでくる、ということだ。そうなるには、 ・幸運は寝て待つそう、無意識の時間を使って考えを生み出そうというわけである。僕なりに補足して考えると、あたためるためには意識することが必要であり、その志向は、実は、既に知っているものがある無意識の領域にむけられるってこと。これは言語学の普遍的テーマである、どの人種にもすべからく言語を知りうる、というのを想念させられる示唆でもある。では、それらを実際どのように認識せしめるのかは、各テーマに沿い簡単な実例をもとに述べられている。視点のおきかたで整理することにより、認識する幅は広くなり、認知能力はどんどん深くなるということである。効率よく情報を得るという類の本ではないのでご注意を。