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カスタマーレビュー数:14
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敗者の無残・無念
2008-03-07
20人中 15 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
左腕を伊良子に切り落とされ、悶絶した藤木が一瞬だけ息を吹き返し、その目に見た光景は、信頼する虎眼流の兄弟子が助太刀で返り討ちにあい、無残に顔面を切り裂かれ崩れ落ちるシーンである。 <br /> <br />彼らは勝負をする以上、必ず、勝者の前に敗者がいる。そして徹底的に敗者は惨めである。 <br />本書では敗者となった藤木が、気を失い骸に埋もれながら右手の長刀を立てたままにしている姿が象徴的である。 <br />一言であらわすと、「無念」なのだろう。 <br /> <br />しかし、虎眼流に追放され辛酸をなめ続けた伊良子もまた「無念」の中で再生した。 <br />無念と怨嗟が連鎖し、しかし、その連鎖の中に自ら身を投じようとする彼らの動機は、報復のみである。そして、報復のみに自らを追い立てる彼らの姿は美しく、読むものをひきつけて離さないのだ。 <br />
そして第零景へ
2008-02-20
6人中 5 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
牛股の乱入で揺れた決闘場。 <br />光を失った伊良子といくの回想シーンを挟み、伊良子と牛股の対峙で幕を開けます。 <br /> <br />血と臓物の嵐が過ぎ去ったあとに残されたのは、勝利者伊良子。そして敗北しすべてを失った虎眼流。 <br />長き因縁をへて、竜虎は物語冒頭で見せた"姿"、隻腕と跛行の二剣士へと変貌します。 <br />外見上の変化だけではなく、内面もより凄絶に、決して戻れぬ決意を秘めた二匹の魔物の完成形。思えば長い物語でした。 <br />この魂の異形を表現するための長さと思えばいいのでしょうか。 <br />最終決戦前の静けさが漂う巻となりました。 <br /> <br />そして本作残酷さ真骨頂といえるのが、牛股の見た幻。 <br />そこに血が一滴も流れない残酷さもあるのです。作者の見出した新境地でしょう。
全篇が伊良子VS牛股!
2008-02-22
24人中 16 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ようやく、1巻の伊良子がなぜ把捉になったかが分かります。 <br />伊良子の把捉、藤木の左腕の手術のシーンなど、自分ではないのに思わずうぅと言いたくなる描写が多いです。 <br /> <br />9巻からの続きですが、全篇伊良子 VS 牛股師範の戦いです。 <br />勝負の間合い、既に判明している必殺技がいつ出るか?など、飽きさせません。 <br /> <br />なお、この巻で7巻から続くあだ討ち編のストーリーは一応の一区切りがつきます。 <br /> <br />でも、無明逆流れVer1.0は雨に弱いとは・・大リーグボール2号みたいですね。
登場人物の精神世界は和製ベルセルク
2008-02-28
22人中 14 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
食事の前に箸で 「 いく 」 の乳首にいたずらする清玄や、 <br />清玄の右目にやたらメリこむ小豆に吹いたのも束の間、 <br />VS 牛股権左衛門クライマックスを経て仇討編完結。 <br />烏が飛び交う曇天の下に異形と向き合う様を描いた登場人物の精神世界には目を奪われる。 <br /> <br />「 ふく 」 は (9) で牛股に切られたと語られていたように読めたが、 <br />牛股ではない誰かと、その間の子らしきを連れて、牛股の最期に悲哀の色を添えるべく最登場。 <br />そこで 「 ふく 」 は、尋常ではない力で両断されたと見える大きな桜の切り株を優しく撫でている。 <br />これが現実なのだとしたら、つまり牛股は 「 ふく 」 をその手をかけることができず、 <br />素手による去勢を果たそうとも、最期まで 「 赤い縄に繋がれし牛 」 であったということになる。 <br /> <br />そして牛は鬼となって蘇り、雷に震える竜に襲い掛かる … とにかく本巻は牛股に刮目せよ !!
いい漫画
2008-07-21
6人中 4 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
栄枯盛衰。 <br />虎眼流の明日はどこへ。 <br />巻末の三重が持った愛憎表裏一体の心理描写が絶妙。 <br /> <br />封建社会という圧倒的な社会構造の中でも、最終的にはそれを超越した個人の意識と思想をもって、源之助と清玄にはぶつかり合ってほしいと思います。 <br />そのためにも、源之助は一度堕ちてから這い上がっていかなければいけないのかもしれません。 <br />虎眼流の看板ではなく、藤木源之助個人として目覚めるのを待ちたい。