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完全なる証明詳細情報とランキング

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完全なる証明

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完全なる証明

青木 薫
お勧め度:ユーザ評価は5.0点です カスタマーレビュー数:10

販売価格:1750円
中古価格:1098円
定価:1750円
発売:文藝春秋
発売日:
出版日:2009-11-12
種別:# アマゾンの詳細ページを開きます

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完全なる証明のユーザレビュー

評価:ユーザ評価は5.0点です ペレルマンを描ききった意欲作 2010-01-08

18人中 16 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

この本は非常に面白い本です。 <br /> <br />クレイ研究所の設定した7つの懸賞問題のひとつである「ポアンカレ予想」を証明したペレルマンが、どのようにポアンカレ予想を証明し、フィールズ賞、そして100万ドルもの懸賞金をも何故辞退したのか?を丹念に描いています。 <br /> <br />ペレルマン当人は、今では誰との接触も断ち、本人への取材ができない状態にも関わらず、旧ソビエトで育った少年時代からアメリカでの研究生活で関わった数多くの人たち(数学者や教師)たちに取材を重ね、一度も会ったことがないペレルマンを描ききっています。 <br />そのことにより、ペレルマンに対する想像が掻き立てられ、よりいっそう面白い物語になっているように思います。 <br />これはソビエトを母国とし、アメリカで育ち、自身も数学少女であった筆者だからこそできたことでしょう。 <br /> <br />恵まれていない教育状況であった旧ソビエトで、その荒廃に立ち向かう大人たちに守られ、純粋培養されたペレルマンが、世間一般の規律以上に厳しい規律を自分の価値基準としたからこそ、世紀の難問「ポアンカレ予想」を証明できたことであろうことが理解されます。 <br />題名である『完全なる』証明とは、その証明自体が完璧であったことだけでなく、ペレルマンの精神そして人生までも含めて難問を解くために完備されたものだったからこそ成し得た「証明」であったということを示していたのだなぁと感じました。 <br /> <br />純粋な対象への興味だけで数学の難問に立ち向かった、今となっては特異な存在であるペレルマンの精神は、我々が忘れてしまったものを思い出させてくれもします。 <br />青木薫さんの非常に上手な翻訳により、ポアンカレ予想そのものを描くより、それを解いたペレルマンという人物に焦点をあてたこの本は、文句なしに面白い出来になっています。 <br />手放しでお薦めできる一冊です!

評価:ユーザ評価は5.0点です 受けた教育と、屈辱。 2009-11-28

26人中 21 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

ポアンカレ予想についての通俗書はこれまでに何冊か出ていますが、「完全なる証明」がそれらと異なっているのは次の2点にあります。 <br />(1)ペレルマンが受けた(数学の)初等教育について書かれていること。 <br />(2)フィールズ賞を拒否した理由を、なるべく彼の視点に立って見ようとしていること。 <br /> <br />私は(1)の部分に惹かれて本書を購入しました。他のレビュアーも書かれている通り、教育関係者(特に数学関係)の興味を引く記述が散りばめられています。 <br /> <br />本書を読むのに、数学の知識はまったく必要ありません。ペレルマンの人となりを詳しく知りたい人にはもってこいだといえます。

評価:ユーザ評価は5.0点です ペレリマン博士をもっと知りたい人向け 2009-11-27

17人中 13 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

数学の超難問ポアンカレ予想を証明したペレリマン博士のソビエト時代・アメリカ留学時代の逸話を <br />中心に、あまり数学に詳しくない方でも楽しく読み進められると思います。 <br />旧ソビエトで幼くして才能を見出され国際数学オリンピック代表に選出されるまでの過程 <br />・ユダヤ人がレニングラード大学で数学を学ぶのがどれだけの超難関であるか・旧ソビエト <br />時代の教育システムと併せて驚くばかりです。これはペレリマンと同時代を旧ソビエトで過ごし <br />数学専門学校で学んだバックグラウンドを持った著者だからこそ詳しく書けたものと思います。 <br />特に少年時代のペレリマンを指導してきた数学コーチのインタビューは詳細なので教育関係者の方 <br />にも参考になる部分はあるのではないでしょうか。 <br /> <br /> <br />

評価:ユーザ評価は5.0点です 天才とは 2010-01-21

5人中 4 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

難攻不落の数学問題に関するノンフィクションというジャンルでは、フェルマーの最終定理と並ぶ良書である。双方ともに訳者も同じであるが、ともに訳者の力量がノンフィクションとしての質を高めていると感じられる。 <br /> <br />題材とされているポアンカレ予想は、フェルマーの最終定理とは異なり、問題自体を理解するのにさえ相当程度の数学知識を要する。しなしながら、本書は、ポアンカレ予想やペレルマンの証明に関する解説には深入りしない。にもかかわらず、数学ノンフィクションとして引き付けるものがあるのは、一般的にあまり知られていないソビエトの数学界の事情が詳述されていること、ペレルマンの軌跡を追うことで「天才とは何か」を考えさせられることにある。 <br /> <br />著者はペレルマンと同時代にソビエトで数学のエリート教育を受けたらしいから、ソビエトの数学事情を克明に描写するのはお手のものだろう。 <br /> <br />加えて、「天才とは何か」については考えさせられるものがある。何もフィールズ賞や100万ドルの賞金を拒否したことに気高さを感じるだけではない。ペレルマンが数学に「自分の空想世界の中で、抽象的な対象とともに生きる自由」を見出していたことに驚きを覚えたからである。 <br /> <br />ポアンカレ予想を自分の周りの次元で考えるべきではないとは思うが、初等教育からペレルマンのレベルに至るまでにおいて、数学を嫌いになったり、数学からドロップアウトしていくのは、数学に具体性を感じられなくなることが原因だとばかり思っていたが、天才は違うのだ。「抽象的な対象とともに生きる自由」に喜びを感じるなんて所詮は凡人にはできない業だ。目から鱗が落ちた気がした。 <br /> <br />

評価:ユーザ評価は5.0点です 潔癖過ぎる天才数学者の孤高の人生を追った秀逸な評伝 2009-12-20

11人中 8 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

本書は数学史上の難題「ポアンカレ予想」を解きながら、賞金100万ドルの授受及びフィールズ賞の受賞をも固辞した上、忽然と姿を消したロシア生れのユダヤ人数学者ペレルマンの謎に迫ったもの。著者は同じロシア生まれのユダヤ人で、数学専攻後、アメリカへ移住したジャーナリスト。そのため、旧ソ連の社会体制の告発本ともなっている。 <br /> <br />「数学は社会主義に奉仕すべし!」とのスローガン。反共と目された大物数学者が次々と弾劾される様子。研究成果の西側への発表も、エリート教育も不可である。そんな中、エリート教育機関の創設・運営に注力したコルモゴロフが紹介される。しかし、彼もまた晩年弾劾の憂き目に遭う。次いで、数学の能力を持つ少年を自ら発掘し教育を施す名伯楽ルクシンが紹介される。"数学クラブ"を主宰する彼こそがペレルマンの育ての親であり、庇護者であった。そして、若き日のペレルマンの経験を通じ彼の三つの特性が語られる。 <br /> <br />(1) 自身の理想に合わない外界(ユダヤ人差別等)への閉鎖性。 <br />(2) 世間的成功よりも信念が大切。 <br />(3) 自身の世界での完全な成功を目指す。 <br /> <br />現実との折り合い方に苦労した様子が窺える。ペレルマンは幾何学を選び、ペレストロイカによってアメリカに渡り、「ソウル予想」を証明し脚光を浴びる。アメリカに残る選択肢もあったが、ロシアに帰国する。この頃から、「自身の数学的能力を理解出来るのは自身だけ」との考えがあったようだ。イデオロギー統制と人種差別への反発が大きいと思う。そして、「ポアンカレ予想」の内容が紹介され、ペレルマンは証明を公表する...。 <br /> <br />斬新な切り口である。専門分野の記述を極力避けながら、関係者へのインタビューの積み重ねを中心に、潔癖過ぎる天才数学者の孤高の人生を追った秀逸な評伝。 <br />