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白洲正子という人間の品格が伝わってくる
2007-06-24
13人中 12 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
日頃、著者が親しんでいるもの。能や仏像、骨董、書画、和歌といった日本の伝統芸術から、庭の草木や花に寄せる思いを綴った随筆の数々。初出が昭和57年(1982年)のものから平成7年(1995年)のものまで、全部で38の文章が収められています。 <br /> 文章の品のあるたたずまい以上に、ぴんと背筋の張った著者の心意気や、ものの考え方に遊びのあるところ、融通無碍の自在さ、闊達さに惹かれました。ぴしりと言い放つ自己主張の強さが鼻につくところもありましたが、白洲正子という人間の品格がおのずと伝わってくる文章の力は、きっぱりしていて清々しいものでしたね。 <br /> なかでも好ましく感じたのは、平成7年初出の三篇(「李朝の白壺」「はさみのあそび」「大人の文章」)と、異形の怖さにぞくりとさせられた「同行(どうぎょう)三人」、在原業平(ありわらのなりひら)の歌の味わい方が素敵だった「日本の伝統」、この五つの文章。ひとつだけ選ぶとしたら、「李朝の白壺」かな。口絵にある白壺「風花」のふっくらとしたやわらかみと、二頁四段の白洲正子の文章が融け合い、風のまにまに吹かれている趣が素晴らしい。掌篇ですが、間然するところのない名品。いい心持ちになりました。
日本の美に触れる
2008-12-03
2人中 2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
まず、タイトルが粋で手にしました。 <br />そして、『自由に生きることの「孤独」について。とらわれず、ひたすら「在る」ことの充足について。』 <br />との裏表紙の文章に惹かれ、購入を決めました。 <br />時折、彼女の奔放な言い様にドキリとするものの、 <br />本書で語られる観音浄土、能、陶芸、移りゆく四季に、心奪われます。 <br />読みながら、まだ訪れたことのない場所に思いを馳せたり、 <br />訪れたにもかかわらず見逃していた一角を惜しんだり、とても楽しませてもらいました。 <br />また、私の触れたことのなかった能の世界についても、 <br />とても興味深く読み進めることができました。 <br />ここには日本の伝統美があります。 <br />彼女の粋な生活美を垣間見ながら、 <br />読者である私達も、日本の美に触れることができる一冊です。
身の回りの人や物事
2007-12-12
6人中 2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
1996年に出た単行本の文庫化。 <br /> 色々なところに書いたエッセイを集めたもの。38篇を収録。 <br /> 西行、お水取り、壬生狂言、MOA美術館。様々なテーマが取り上げられているが、いずれにも「白洲正子」が力強くあらわれている。バッサリと切り込み、好きなものについて熱く語る。小気味よいけれど、どこか不安を感じさせる。 <br /> あまりまとまった内容ではないので、白洲ファン以外は手を出す必要はないと思う。