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「白い巨塔」の次は…
2004-02-03
35人中 31 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
山崎豊子は凄い! 作品数は少ないが緻密な取材で長編を描き切る。最新作の「沈まぬ太陽」で知った人も、テレビの影響で「白い巨塔」で山崎を知ったひとも、次は「華麗なる一族」を読んでいただきたい。面白いから。ところで、あなたは今の「三井住友銀行」が「さくら銀行」と「住友銀行」だった事を知っていますか?そしてその前は「三井銀行」と「太陽神戸銀行」であり、さらにそのまた前は「太陽銀行」と「神戸銀行」だったんですね。本書はその太陽と神戸の銀行合併を取上げた金融界を舞台にした小説。30年前に書かれたとは思えないです。やり手の大蔵官僚やら腹黒い銀行頭取やら国会議員やらがうごめきまわる。そして家族をも事業の犠牲にする主人公。一気に読めちゃう面白さ。「白い巨塔」の次は、これで決まり。
すごい取材力!!
2006-08-21
30人中 28 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
山崎豊子の取材力の凄さは「沈まぬ太陽」で実感していましたが、この「華麗なる一族」においての銀行や大蔵省、日銀、特殊鋼会社などの描き方は尋常ではない取材の賜物だと思います。 取材と金融の基礎勉強に半年も費やしたとのこと。 まさに超大作です。「上」「中」「下」巻というボリュームも気にならず一気に読めます。 金融再編による銀行の合併というテーマを既に昭和48年に書いていたなんて信じられません。まさに脱帽という感じです。 親子の愛憎、妻妾同居、政略結婚など様々な人間模様も織り込まれ相当読み応えがあります。 しばらく山崎豊子の作品に夢中になりそうです。
いつの間にか引き込まれる面白い1冊です
2006-12-29
36人中 28 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
この1月に木村拓哉主演でドラマ化されるということで、購入しました。 物語は、都市銀行10位である阪神銀行のオーナー家にして、鉄鋼・不動産・商社等の関連企業で万平財閥を形成する万平家での、家長と長男、本妻と愛人等の愛憎劇に、銀行合併、鉄鋼会社の巨大投資等、経済のダイナミクスを絡めた、著者ならではのドラマチックな1冊です。 冒頭こそ、メディアの発達した現代では信じられない「妻妾同居」「結婚による閨閥作り」等々のエピソードに、読みにくさも感じるのですが、読み進めていく内に、銀行合併をめぐる政官入り乱れた虚虚実実の駆引きや、数百億に昇る投資資金の融資引出し等、取材に裏打ちされた、著者ならではのドラマ性に引き込まれ、ついつい夜更かしして読んでしまいます。 著者のファンや、金融関係の面白いノンフィクション好きな方にはお奨めの1冊です。
まさに戦国時代!
2007-01-26
25人中 22 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
家内が読みたいと言うことで、購入しましたが先に取り上げて呼んでしまいました。 やはりドラマの1回目を見て購入を決めたのですが、ドラマの脚本は原作を再構築しているので原作を読むときもエピソ−ドの順番を変えていたりされていて、2度楽しめます。 鉄平に焦点を当てたTVと違い、原作では大介を中心に銀平や銀行運営自体にも視線をあわせ、大経済小説の側面も大きく持っている。 ぐいぐいと引き込む文体に引きずられ、読み込んで行くうちに濃厚な内容に体力を奪われて行きそうになり、それでもやめられない面白さです(笑) 女流作家でありながら、男社会を描ききった筆力には感服です。 我が勢力を守るため、娘までを利用する大介に戦国武将の姿を見、銀行再編とはまさに戦国時代だったのかとも思います。
実年壮年老年の目
2007-01-07
22人中 20 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
久しぶりに小説らしい小説を読んだ気になる。文庫本上中下それぞれ500ページの大作物語。今から30年以上前に書かれた小説であるが、現在でも十分に読ませる。それは時代背景が異なっていても、そこに登場する人物が深く書き込まれ、生き生きと迫ってくることと徹底した取材から来る迫力を感じるからである。最近のアクションと軽さ、スピードを特徴とする小説と一線を画す、読む者を夢中にさせる本物の小説である。