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カスタマーレビュー数:15
販売価格:560円
中古価格:132円
定価:560円
発売:講談社
発売日:2008-11-28
出版日:2008-11-28
種別:コミック
煩悶の日々
2008-11-28
25人中 21 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
吉岡門下70人の精鋭との殺戮をくぐり抜けての2巻目。剣士として致命的な右ふくらはぎの深い傷は癒えぬまま、武蔵は届けでなく決闘した罪で投獄されるのだが・・・。 ここ最近本作が描くのは強さ、とは別の形で現れる「強さ」だ。 武蔵がここまで我々読者に知らしめてきた強さとは、幾人もの強者の屍の重なりの上にかろうじて存在する類の強さである。一見それはこの上ないもののように思える。しかし人の死によってはじめて成り立つという他律的な強さが、本当に「強い」と言えるのだろうか? 強さを証明するために、その都度目の前に現れる敵を斬り伏せなければならない。強さに固執する限り、「殺し合いの螺旋から」永遠に抜けることがその生き方が、本当に強いと呼べるのだろうか? 強さのその向こうにあるはずのもう一つの強さに、沢庵和尚が彼を「人はなぜ生まれ 如何に生きるべきか」という実存的問いを通していざなおうとする。 さもすれば単調になりそうな禅問答のような会話のやり取りを、「魅せるもの」にかえる作者の技量にも驚嘆。 静かな情景に、静かなやり取り。そこに命の奪い合いは起こらない。 しかし、個々の生き様、信念がはげしく交錯する第29巻。
濃密な一冊
2008-11-28
13人中 8 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
武蔵、おつう、城太郎、小次郎、それぞれに進展あり。 中でも、武蔵やおつうの葛藤は、とても奥が深い内容です。 また、武蔵と沢庵が、お互いに理屈ではなく自分が受けた感覚を、なんとか言葉で説明しようとする場面は、見事に描いているなぁ、完璧だなぁと脱帽でした。 「根っこのところを天に預けている限り、完全に自由」 うーん、なんとなく解るような気が... 何かを意識すれば、すでに影響を受けているわけで、それは完全には自分の意思ではない.... 何かに逆らおうとすれば、その時点でそれは自分が本当にやりたいことではなくなっている... 天に逆らわず、自分の道は天に決められていると考えればこそ、何からも制約を受けず、世界は無限になり、本当の意味で自由になれる... ...みたいなことでしょうか。 たぶん読んだ人それぞれ、感じることが違うと思います。それほど二人の会話は凄い。 武蔵やおつうの表情も、井上さんの画力ならではの美しさで、この巻はとってもいいです。
感動した
2008-11-28
13人中 6 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
この29巻で描かれていることは本当に今の我々の人生においても言えることですわかる人にはこの漫画の内容の重みが気づくかと思います・・作者のネームの力量は素晴らしい
バガボンドに『光』
2008-11-30
8人中 6 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
武蔵に剣を捨てることが迫られいよいよ『剣の道』が閉塞的になってきた前巻。 物語を通して続いてきた武蔵の剣に対する『苦悩』や斬り合いの中で生まれてきた『闇』がこれまでは必然的に描かれてきたが、この29巻ではバガボンドの武蔵にようやく『光』の兆しが描かれ始めている。 各登場人物の今までは見えなかった核心が見え隠れするこの巻。 特にこの巻の中心となっているのが武蔵と沢庵の会話。 沢庵にもあったとされる過去の苦悩のシーンやその後に訪れる『光』のシーンは印象的でした。 「完全に自由だ」と、天を仰ぎ涙する沢庵の表情はまさに井上先生の顔にも見え、この巻でも随所に井上雄彦そのものが描かれているのだと感じることができる。 この武蔵と沢庵の会話を通して、これまでの闘いをようやくポジティブに、俯瞰で見られる展開になってきたんじゃないだろうか。 そしてこの巻は「最後のマンガ展」を経て最初に描かれた作品だけに、絵の構図やコマ割りなどのネームに至ってはこれまでより更に効果的に(空間的に?)物語へ入り込んで読むことができた。 今では入手困難かもしれませんが、2004年に発売された「武」というタイトルの井上雄彦氏と甲野喜紀氏による対談本の中で、この29巻と最後のマンガ展で描かれたことのヒントが語られているので気になる方にはそちらもオススメしたい。
少しガッカリ…
2008-12-04
33人中 6 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
なんか武蔵に共感できなくなってきました。まず、武蔵には七十人斬ったことへの罪の意識がないのか疑問に思います。その死闘の後、武蔵自身変化があるはずと思っていましたが、まだ自分や剣のことだけを執着しているし、勝負や強さにこだわるのなら七十人も殺す必要はなかったはず。城太郎やおつうのやりとりも、武蔵がしたことを考えると不快に思うだけ。この巻は共感できないことが多く、云いたいこともあまり伝わりませんでした。まだ又八の方が、人間としての共感ができます。