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数学でつまずくのはなぜか (講談社現代新書)

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数学でつまずくのはなぜか (講談社現代新書)

小島 寛之
お勧め度:ユーザ評価は4.0点です カスタマーレビュー数:9

販売価格:756円
中古価格:200円
定価:756円
発売:講談社
出版日:2008-01-18
種別:新書 アマゾンの詳細ページを開きます

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数学でつまずくのはなぜか (講談社現代新書)のユーザレビュー

評価:ユーザ評価は5.0点です 塾や学校の先生や数学で悩む子をもつ親のために・・・ 2008-11-24

1人中 1 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

読んでみて誰でも感じると思いますが、筆者の教育への強い熱意が伝わってきます。この本の中で例として挙げられていることは私自身、塾や学校で教えている中で出会ったことととても似ており、ひとつひとつを実感を持って読むことができました。  以前、進学校で働きだした頃、ひとりの劣等生扱いされている中1生にがいたのですが、その子に数学の考え方のポイントを少し教えただけでいきなり成績が急上昇したことがありました。そのとき、いままでこの子の教科担当者はどういう教え方をしたのだろう? わずかにポイントを示しただけでその応用力を発揮する子なのになぜこの子の素質を見抜かず劣等生扱いしていたのだろう?と思ったものです。そのこともあって私の所に劣等生という烙印を押された中学・高校生たちが集うようになりましたが、その子達もみな理屈を飲み込んだら成績が急上昇していったのです。  これらのことはもちろん、個々の先生達が悪いと言う気はありません。学校や国からの注文、またPTAからの理不尽かつ我儘かつ非常識なクレーム、そんな親によって作られている家庭環境に因るところもあると思いますが・・  話横道でしたが、数学に悩む子を持つ親御さん、そして学校で数学を教えている先生に是非読んでいただきたいのです。私自身、小学生の頃塾の先生にバカ扱いされたのですが、今からみるとこの先生の説明が不十分だったのが原因に思えます。私の疑問を解消する教育意欲のまったくない先生でした。あの頃の先生がこの本を読んでいたら私はもっと早い段階で数学を好きになっていたと思います。

評価:ユーザ評価は4.0点です 著者の考えを綴った数学エッセイ 2008-08-04

1人中 1 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

 著者の個性の出ようのないタイプの本だと思っていた『ゼロから学ぶ線形代数』(2002年 講談社)が面白かったので、「この人の本なら面白いかも」と読んでみた。内容はタイトルから想像したものとやや異なっていたが、「あなたが数学でつまずくのは、数学があなたの中にすでにあるからだ」という文言と出会った瞬間にシビれてしまった。  本書は、必要な箇所でそのつど数学史上のいきさつや著名な数学者の名を挙げながら、数学そのものから、数的能力、(具体的な教材・題材までを含む)数学教育のあり方についてまで、著者の考えを綴ったもの。1つの結論に向かって論述していくスタイルの本ではなく、むしろ、様々な思索を関連のあるトピックごとにまとめたような本。  取り上げられているトピックは、第1章「代数でのつまずき」(中心テーマは文字式)、第2章「幾何でのつまずき」(証明)、第3章「解析学でのつまずき」(微分)、第4章「自然数でのつまずき」(数学的帰納法)、第5章「数と無限の深淵」(1対1対応原理)。前半は数的能力や数学教育に関する言及が多いが、後半は数学的概念そのものの解説が増えてくる。この点、1冊の本として考えると、やや焦点がボヤけてしまっているように感じた。また、最後まで読んで見直すと「なるほど」と思うタイトルなのだが、多くの学生が「数学でつまずくのはなぜか」だけを論じた本ではないため、ややミスリーディングなタイトルだと思う。  個人的に面白かったのは、生態心理学の「アフォーダンス」の概念を数的能力に適用しようとしている点。人間の側に数学的世界という構築物があると捉えるのではなく、世界を構成する様々な事物の側に「数え上げられる」「数理的に表現できる」等の性質が備わっていて、それを探り出す力として数的能力というものを考えているようだ。  前著『文系のための数学教室』(2004年 講談社)も是非読んでみたいと思う。

評価:ユーザ評価は4.0点です 数学概念のアフォーダンス? 2008-06-14

0人中 0 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

新書的センスのタイトルと帯がミスリーディングなのでひとつ減点です。 数学を何とかしたい、という動機で中高生が読んでも得るところはあると思いますが、むしろもう数学を卒業している人に向く書籍だと思います。ほんとは数学ってなんなんだろう、と思いながら読んでほしい。学校数学ってそういうことだったのか、という内容でした。 著者が純粋数学者でも学校教諭でもなく、塾講師の立場で生徒と接する中で真摯に教授すべき内容を検討していたことが覗えます。 「ゆとり教育」も単に時間数の話ではなく、本書で著者が導入していたように教授法の根本から考えていればよかったのに、と思います。学会は興味がなく、現場は余裕がなかったのでしょうか。進学校で証明を暗記物にしてしまっている例など驚きです。 数学を学ぶ理由に関してアフォーダンスという概念を引いています。興味深いのですが、より進んだ数学ではどうなのか。「数学が役に立つ」という表現の胡散臭さは「役に立たない」からではなく、現実での「使い方がわからない」からだと思えます。数学で表現できるものは沢山あることが理屈で判っても、そのことを実感し手なずけるのはムツカシイ。アプローチが間違っているからなのか。でもある程度の訓練がないと腑に落ちるようにはならないだろうしなあ。著者の現在の専門である経済学と数学の関係にもアフォーダンスは潜むのでしょうか。

評価:ユーザ評価は3.0点です 数学教育の思想 2008-06-12

4人中 2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

 私は数学は好きですが、あちらからは嫌われているようです。この本は、同じ講談社現代新書から出ている『文系のための数学教室』がおもしろかったので読んでみました。子どもたちを数学好きにするためのアプローチとしては「数学はこんなに魅力的である」というものと、「数学は役に立つ」というものがあるが、いずれも帯に短し襷に長し、という観点に基づいて書かれています。しかしながら、この本を読んで即数学の得点アップにつながるかというとそうは思えません。あくまでも著者の数学教育に対する思想を述べたものといった面が強いからです。  ちなみに学校教育における数学は、独創性ではなく、正確に公式などを覚え、的確に処理することを目的としているようです。学校教育の目的が有能な社会人を養成するためのものだからです。そのために先生の答案を丸写しさせ、それに外れるものはすべて不合格とするということも行われているようです。この点が子どもたちを数学嫌いにしている大きな理由である。しかもこうした教育法があながち間違いともいえない点が問題であるとも述べられています。  私自身は数学は必要だと考えています。文系であっても、数学が得意であれば大学受験に有利だからです。文系の人はたいてい数学は苦手だし、旧帝大や一橋大学ともなれば当たり前のように数学を試験科目にしています。  何より数学はルールに則って論を展開していくものです。この点は法律学にも通じる部分があり、純粋にゲームとして面白いと思うのです。また、一見自由な芸術ですら法則性に支配される面が多々あります。音楽は数学と密接に関わっていますし、写真の露出はどのような画像が得られるかを数値に変換したものです。また、数学のような抽象思考に慣れておけば、現実の問題に対する思考力も向上するのではないかとも思います。悲しいかな、私はこれを実際に形にあらわせません。

評価:ユーザ評価は4.0点です タイトルは?でも内容は!! 2008-05-06

1人中 1 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

筆者は自分の体験や今までの研究から、数学でつまずく原因を分野ごとに解明を試みているようです。 それは「代数でのつまずき」「幾何でのつまずき」「解析でのつまずき」「自然数でのつまずき」「数と無限の深淵」と章立てをし、それぞれの分野で難しさ、その背景にある数学理論を語っていることから感じ取れます。 しかしながら、読んでみて思ったのはこの本に書かれていることが「つまずき」の原因かどうか?がはっきり分かりませんでした。 一方で、数学の基本的な事項を教えるにしても学ぶにしても難しいのは、概念の定義や理論の構造、理論の進め方など、過去に数々の大数学者達が悩んだ基礎理論の理解が必要であるためであるということや、生徒とのかかわりの中で色々なつまずきを解決してきた貴重な実体験や解決してきた方法が提示されていることは、読んでいて大変興味深く面白く感じたところでした。 全般的に平易には語られていますが、数学的に深いところを語っていることもあり、それこそこの本で「数学につまずいて」しまう方もいるのではないか?などと思ったりもしました。 書名から想像する以上に数学的な内容が濃いのは、非常に面白いことであるのですが、書名と内容との間にギャップを感じますし、学生向けなのかその両親向け、もしくは学校の先生向けなのか、誰に向かって書かれたものかがはっきりしなくなっている気がします(学校の先生宛なような気がしますが・・・)。 そういった読後感はありつつ、先にも述べたように書かれている内容は非常に興味深く面白いので、数学に興味のある方、特に数学教育に関わっている方、もしくは今後関わっていかれる方には特にお勧めできる一冊だと思います。

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