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カスタマーレビュー数:12
販売価格:1785円
中古価格:870円
定価:1785円
発売:講談社
発売日:
出版日:2009-01-31
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事件・犯罪 >
47位
身近な「非日常風景」迫った良書
2009-03-03
12人中 12 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者は放送記者である。あくまで「ヒト」に焦点を当て舞台設定を次々と展開していく、というテレビが得意とする手法を駆使した良書だ。われわれ一般の人たちの身近に潜みながら、絶対に気が付くことがないスパイハンターという「非日常風景」に迫り、読む者を飽きさせない。 <br /> たくさんのノンフィクションを読んできたが、本書は関係者の証言をつなぎ合わせるこれまでのパターンではない。ヒトの動きと言葉がテレビを見るがごとくつながり、新たなノンフィクションの分野を開拓した点でも画期的だ。 <br /> 追尾対象となった自衛官の息子の死に直面し、目に涙をためて非情になれないハンター(捜査員)。摘発されて妻の前で泣き崩れるロシア機関員―。そこには、「能面」のような印象が強かった主人公たちの表情と心が見える。 <br /> こうしたリアルな描写を可能にしたのはまさに現場を重視した取材力だろう。ここまでスパイ捜査の手口を明かされた全国の警察組織の嘆き声も聞こえてきそうなほどである。問題が敏感なだけに、ニュースソースを匿名にせざるを得ないのは当然だが、著者が暴かなければ永遠に隠されたままであろう事実をつまびらかにすることを優先した著者のジャーナリストとしてのギリギリの手法に頭が下がる思いだ。 <br /> もう一つ、本書が問うているのが、インテリジェンスなき日本に対する警鐘だ。著者は「日本という国家が、いかに先進国のスタンダードからかけ離れた存在であり、自国民を守るという意識が希薄な国であるという事実に、危機感を感じていただけたらと思う」と結んでいる。 <br /> 本書の最後に「巨体の外務省職員」が登場するが、著者の関心や取材対象は際限なく広がっているのではという印象を持った。次なる大作に期待したいものである。
警察からメッセージ?
2009-03-01
11人中 11 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
防諜現場の最前線の息遣いがリアルに感じられる一冊。 <br />現実の政治や外交、国際関係の狭間に揺れる中、 <br />ロシアの軍事スパイとその協力者を追い詰めていく描写は、 <br />息をするのも忘れてしまうような緊張感に漲っている。 <br /> <br />現実にこの事件が発生したのは2000年。 <br />10年近く前のことである。 <br />それだけの時間を置かないと内幕を世に出せなかったのだろう。 <br />今この時間にも、 <br />この本に登場するスパイハンターたちは活動しているのだ。 <br />あまり早く公開されて捜査手法の秘密暴露に繋がってしまうようでは、 <br />彼らが困ることになる。 <br /> <br />この本の結末部分に出てくるある人物は、 <br />読書が好きな方にはすぐに誰であるか気付くであろう。 <br />これは警察からのメッセージのような気がする。 <br />その人のこの本に対する回答が聞いてみたい。 <br /> <br />早くも今年ベストな本の予感。
タイトルが惜しい
2009-12-01
6人中 6 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
佐藤 優さん絡みでも、何かと注目のインテリジェンス。 <br />最近では、NHKのドラマ「外事警察」等でも注目されています。 <br /> <br />ノンフィクションで、警視庁の外事警察をルポしたものです。 <br /> <br />その職務の厳しさ、難しさ そして驚愕の追尾技術。 <br /> <br />そして、話の主軸はロシアの大物スパイを捕獲するまでの344日を描く。 <br /> <br />圧倒的な迫力。 <br /> <br />しびれました。。。 <br /> <br />
客観的、か
2009-03-01
5人中 5 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ロシアスパイを摘発する警視庁の公安警察官の物語である。外事課のスパイ捜査のディテールがふんだんに書き込まれ、一気に読ませる力がある。 <br /> <br />ただ、作者は「客観的に書くように努めた」とあとがきで書いているが、メタボな捜査幹部を「脂肪の下には強靭な筋肉が隠れている」的に表現することからも分かるように、そのスタンスは明らかに公安より。しかし、鈴木宗男と明らかに佐藤優を指すとみられる外交官を外事警察がどう見ているかを示唆する部分は実に興味深い。作者が「公安視点」で書いたからこそ、鈴木・佐藤に対する「国策捜査」とはまた違った視点を読者は知ることができるともいえる。 <br /> <br />作者は「東京の民間放送局」の現役記者らしい。ただ、作者名は本名のようだ。なぜ社名だけ匿名にしたのかは謎である。
ヘタなフィクションよりよっぽどオススメ。
2009-02-26
8人中 7 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者は現役の放送記者のようだ。 <br />テレビの記者らしくスピード感と巧妙な場面転換、 <br />ドラマチックなストーリー展開で勝負している。 <br /> <br />幹部自衛官をターゲットにしたロシアスパイ事件の人間ドラマを縦軸に、 <br />最新のロシアによる対日工作事情を織り込んで、ストーリー全体を <br />新鮮なモノにしている。 <br /> <br />緻密な取材に基づいた膨大な情報の量と質に圧倒されるが、 <br />飽きさせぬ構成であっという間に読了する。 <br />涙あり、怒りあり、スリルありの展開には著者の狡猾さすら感じる。 <br /> <br />いまも闘いを続けるスパイハンターへの配慮は、ジャーナリストとしての、 <br />見事なスタンスを感じるが、「巨漢の外務省職員」と、あの大作家を <br />匿名としているのは何故だろう。瞬間、不可解さを感じたのも事実だ。 <br />しかしこれだけの取材をしている著者のことだから、次なる作品への <br />布石と期待したい。 <br /> <br />小説好きな方にもお勧めの一冊。