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古くて、新しい
2008-12-04
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第三者の視点と、事件の起こる家に置かれているピエロの視点でストーリーは進んでいく。なかなか斬新な趣向で面白い。 殺人事件が起こるのだが、ピエロはその現場に置かれている。現場保存のため、彼(?)を動かすことはできない。そこで、ピエロは犯人らしき人間の行動を見たり、刑事たちの話を聞くことになる。登場人物たちにはそれは伝わらず、読者だけがその情報を得られる。ピエロの視点が犯人を見つけるためのキーポイントになっている。ピエロの視点はそれ自体がヒントにもなり、伏線にもなっている。そして最後のどんでん返しを知ったとき、思わず背中がぞくりとした。なかなかよくできた作品である。正直言って、最近は本格ミステリーに対する興味を失っていたのだが、その面白さを再認識させてくれた。批評家たちにはあまり評価されなかったようだが、東野作品の中でも上位に入る小説だろう。’92年の作品だが、少しも古さを感じさせない。 この古くて新しいミステリーの醍醐味を、あなたにも。
ピエロは見た!
2008-11-16
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サスペンス映画の殺人シーンなどで、 血しぶきを浴びるぬいぐるみやフランス人形、 驚いて逃げ出す飼い猫、窓の外で鳴くフクロウなどといった小道具が時折見受けられます。 彼らが目撃証人として語ってくれればなぁなどと思ったことはありませんか? 本作は、空中から見ると十字型をしている旧家で立て続けに起こった、 1件の自殺?、そして関係者を巻き込む2件の殺人事件の解決がテーマです。 多数の登場人物の中で異彩を放つのが、 素性の知れない人形師と、彼の父が製作した「悲劇のピエロ」です。 特に後者は3件全ての事件の現場にひょんなことから放置されており、 読者に興味深い情報を語りかけます。 巧妙なトリックや事件の真相が明らかになりつつある中でピエロが語る内容、 すなわち、ピエロが不幸を招くのではなく、人間たちが勝手に殺し合うだけで、 自分はその現場に立ち会ってるだけだという趣旨の独白が印象的です。 「悲劇のピエロ」なんて人間の責任転嫁に過ぎない…。 本書の売りは、このピエロの独白という斬新なアイディアです。
東野圭吾さんの作品はハズレがない!
2008-04-11
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この作品も、それなりに楽しめました。 ホント、全体的にハズレがないですねぇ。 ただ、他の作品と比べると少し評価は落ちるかなぁ…って感じです。 ピエロの視点は斬新だとは思いますが、 個人的にはあまり好きではなかったです。 評価的には、星3つということで。 (この作品がおもしろくないというよりは、 他の作品がおもしろいため、期待しすぎてました。)
真犯人が使ったトリックや伏線に驚き
2008-03-28
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本作品の裏表紙に、「どんでん返しがある」と書かれていたのでどれほどのものか期待していたのですが、「どんでん返し」については期待したほどでもありませんでした。同じ東野圭吾作品で言うなら「仮面山荘殺人事件」の方がラストの衝撃は大きかったです。私が本作品で評価するのは「どんでん返し」よりも犯人が使ったトリックや、ラストにつながってくる伏線です。 推理小説というのは読みながら、「犯人はこの人だな」とか、「こういうトリックだろう」とか、「この部分が複線になっているな」と考えながら読むものだと思いますが、本作品の真犯人が使ったトリックや、ラストにつながってくる伏線には驚かされました。真犯人の予想は当たったのですが、トリックは全然わかりませんでした。トリックが解明されたときには「なるほど」と思ってしまいました(まあ、これはまだ私が未熟だからかも知れませんが)。伏線も意外なところがなっていたりして面白かったです。最後に少しの謎を残して終わったのもよかったと思います。 東野圭吾作品が好きな人はもちろんのこと、ミステリー小説が好きな人には読んでほしいです。でも、「最後はすっきり終わりたい」という人には面白くないかもしれません。
ピエロの人形に語らせるという意外な手法♪
2007-04-27
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十字屋敷で殺人事件が起きる。犯行がどのように行われたか、 その一部始終を知っているのは犯人と被害者の2人だけ。普通の ミステリーならこういう感じだが、この作品は犯行のすべてを 見ていたピエロの人形を語り手として登場させるという、驚く べき方法をとっている。そしてそのことによって作品に、より 立体感を与えている。殺人のトリックも、全然予想できない意外な 方法だった。竹宮家の人たちの確執も、この作品をより面白く している。最後に、頼子の娘佳織がつぶやいた一言が衝撃的で、 いつまでも余韻が残った。