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カスタマーレビュー数:10
販売価格:693円
中古価格:693円
定価:693円
発売:角川グループパブリッシング
出版日:2008-12-24
種別:コミック
SF・ホラー・ファンタジー >
43位
SF・ホラー・ファンタジー >
21位
ニヒリズムの時代に
2008-12-27
21人中 13 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
一気に読破した直後の熱を持ってこのレビューを書いている。 後半三分の一の迫力に度肝を抜かれた。《ユニコーン》と《バンシィ》の応酬の間隙に登場人物がほとばしらせる感情が織り込まれ、それが一文一文がドクンドクン脈打つ文章で活写されて幾重にも重なって激流のようにラストに流れ込んでゆく。ただただ圧巻だった。 世界の理不尽に「それでも」と言って“内なる可能性”をもって対峙してゆくバナージの姿には問答無用に魂を揺さ振られてしまう。「世の中なんてどうにもならないさ」と我々を押し潰すニヒリズムの重圧から世界を救うのは福井氏の小説かもしれない(いや、マジで)。 ただ、他のレビューでも書かれているように過去のシリーズからの引用があまりに多くて正直興ざめすることもある。最終回、腕と首のもげた《ユニコーン》が首だけの《シナンジュ》と戦ったらやだなぁ。
胸が躍らない読者は少ないだろう
2008-12-26
24人中 12 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者と同い年、所謂ガンダム世代の私にとって トミノ監督の手によらないにもかかわらず ひさびさに「正統な」作品を読んでいる気がしている。 (挿絵の効果も大きいとは思われるが、 その点からすると四巻から部数が伸びないような気も・・・) ファーストから30年近い年月が経過し 直木賞候補作家が作品を手掛けるまでの成長を 当初、誰が予想し得ただろうか? 本巻は第七巻。様々な伏線と、あらゆる勢力と、 メインキャラクターがオーストラリアの地に収束する巻である。 前巻に見られたようなスローペースかつ ファーストへのノスタルジアに固まった展開から スピーディーに、物語が収斂していく感覚が非常に心地良い。 物語のもう一人の主役として開眼するオードリー。 トミノ監督であればもう少し悲劇的に描かれるであろう 強化人間の前向きな、希望に満ちた描かれ方。 そして重力の井戸の底から、人々の想いとそれを繋ぐ ケーブルに引かれ、宇宙〈そら〉に浮かび上がるガランシェール。 〈浮かび上がる〉カタルシスに満ち満ちたラストが 深い深い余韻を残す。最高傑作の巻である。
残念ではありますが…
2008-12-30
20人中 11 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
相変わらずの著者の描写力、ストーリーなど、全体的にとても楽しかったのですが、残念な部分もいくつかありました。 というのも、そもそも「黒いガンダム」というのが二番煎じという感がなくもありません。 ましてやそのパイロットは悲劇に満ちた強化人間であり、主人公と浅からぬつながりを持った女の子。またその2人が戦う最中に現れる虹色のオーラ(=サイコフレームの共振)などなど…こういったパターンは物語序盤でこそ、本作品がファーストの系譜である事を読者に意識させる意味もあったのでしょうが、既にUCが一つの作品として独り立ちしている現在では、「またか」と思う方が強かったです。 特に終盤、バナージが放つ「ユニコーンガンダムは伊達じゃない!」というセリフに至っては、それまでUCという物語にグッと引き込まれていた所で一気に熱が冷めてしまい、何とも複雑な思いになりました。 「ここでそんな遊び心はいらないのでは?」という感じでしたね。 とは言え、それでも読んでいてとても面白く、作品に引き込まれてしまったのは、著者の筆力の賜物でしょう。さすが福井氏です。 個人的に、はブライトが「箱」を巡る争奪戦に大きな役割を果たす事になったのが、とても嬉しかったです。 ビスト財団の当主代行も顔負けの交渉術を見せるなど、ブライトもすっかり大人です。 また、ベルトーチカがルオ商会のスタッフとして登場するシーンは、お待ちかねのファンも多いのでは。ブライトと共にアムロの思い出話をする所は、感慨深いものがありますね。 「箱」を巡る謎についても、リディの口を借りて徐々に語られ始め、明らかになる日が近い!という期待感がますます強くなります。 何より、ファースト以降に共通していた世界観がこの作品のバックボーンになっていて、それが脇役MSなど、物語の細部に至るまで徹底されているので、ファンとしては安心して読んでいられますよね。 今から次号発売が待ち遠しいです。
いくらなんでも
2008-12-26
32人中 8 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ガルスJの派生機や、連邦のアッシマーの後継機アンクシャ等、MSファンには嬉しい巻。地球から宇宙へと戻る過程に、旧ジオンの残党が襲い掛かる。戦闘シーンも多く面白かったが、やはり大きな疑問が。4巻でもあったが、身内を殺したバナージを迎え入れるガランシェールのメンバー、今回は身内(アンクシャ)を落としたバナージを保護せんとするブライトやミタス艦長。はっきり言って意味がわからない。どんな軍隊に身内殺しを庇護する奴がいるのか。もちろん、MS自体があり得ないことではあるが、ドラマ自体の信憑性の点で、どうにもすっきりしない。しょっちゅう居場所を変えるパイロット(主人公)なんて、誰も信頼しないはずなのに、どっちもそれを甘受している。やはり、この小説の限界を感じる。福井氏の作品もガンダムも好きだが、やっぱり釈然としない点は、はっきりと言っておきたい。
クライマックスに向けて一気に加速
2009-01-14
4人中 2 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
早いもので、もう七巻である。いつも単行本の終盤は大きな見せ場をつくってくれるが、今回も超弩級の展開が待っていた。二機のユニコーンの対決、ミネバの決意、ビスト家の光と闇、ジンネマンとマリーダの絆・・・。そしてラストには想像すら出来なかった二つの艦の邂逅があり、ユニコーンはさらなる覚醒を見せる。ファーストファンは宇宙世紀の新たなる歴史を目の当たりにする。物語は佳境に入りつつあり、今後はバナージ・ユニコーン対フロンタル・シナンジュの対決が本格化していくのだろう。この後の巻でも、今まで以上の盛り上がりを見せてくれること間違いなし。福井晴敏ほどの人が全霊を注いでガンダムを書くと、こうも素晴らしいものができあがるのか。当然今後も期待するが、もう一つ、ガンダム生誕30周年作品はぜひユニコーンの映像化をお願いしたい。