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1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74) (朝日新書)詳細情報とランキング

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1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74) (朝日新書)

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1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74) (朝日新書)

竹森 俊平
お勧め度:ユーザ評価は4.0点です カスタマーレビュー数:12

販売価格:756円
中古価格:350円
定価:756円
発売:朝日新聞社
出版日:2007-10-12
種別:新書 アマゾンの詳細ページを開きます

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1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74) (朝日新書)のユーザレビュー

評価:ユーザ評価は4.0点です 2008年10月に読むのにふさわしい一冊 2008-10-15

1人中 0 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

宮崎哲哉が薦めていた一冊。 1997年というのは、アジア通貨危機が起こった年。これはタイから始まった。当時のタイは、経常収支の赤字を資本の流入で埋め、結果的に外貨準備が増えている状況であったが、あるきっかけで資本流出が始まり、外貨準備が払底、自国通貨を買い支えることができなくなってバーツが急落したとされている。大体他の国でも事情は同じである。ここで登場するのが「最後の貸し手」的役割のIMFなのであるが、ここでIMFがインドネシアや韓国に「おしつけた」構造改革要求が頗る評判悪く、後に各国にそっぽを向かれ、IMFは自らの国際的存在意義を低めることになった。 というのは長い前置きで、竹森がここで考察するのは、なぜこうした危機が起こるのか、というところで、フランク・ナイトの論じた「リスク」と「不確実性」の区別の議論を持ち出す。ナイトを敷衍した竹森の論考(この2章が本書の最大の読みどころ)をすごーーく単純化して言うと、世の中どうしてもコントロールできない「不確実性」の領域が必ず残されている(ただし、そんなものはないというフリードマンのような立場もある)。「不確実性」は普段表面化しないがときどき経済界に目に見える形で出てくる。このとき、人々は過度に悲観的な対応をするが、政策担当者は、逆に積極的な対応をしなくてはならない(「バジョット・ルール」)。 この見方に立つと、1997年のIMFは不確実性が露になることの意味を理解していなかったので対応を誤った。一方、2000年頃のITバブルの崩壊に対し適切な対応をしたとして、当時のFRB議長グリーンスパンは肯定的に描かれている。要するに、竹森が「世界を変えた金融危機」というのは、不確実性に対する対処法を変えた金融危機ということである。しかし、本書にも書かれている通り、その後のサブプライム問題の火種を作ったのも事実。グリーンスパンの自伝をこれから読むところだが、よい準備体操になった。

評価:ユーザ評価は3.0点です 資本主義の危うさ 2008-09-21

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フランク・ナイトのリスク・不確実性の区別を軸に政治過程に踏み込み、サブプライム等過去の金融危機の原因を分析した好著。 只、「経営者は不確実性の領域に踏み込むことによって利潤を得る」という著者の説明には腑が落ちません。多くの経営者が「勝算がある(ライト流の「リスク」をとる)」と判断した際に利用した「確率分布」が、他者のそれとは違うから利潤を得るのであり、他者がその確率分布を真似ることで利潤は減少するのではないかと感じます。そして、その確率を算出した経済の構造が変化することに気付かず、同じ確率分布のまま行動し続ける結果、予想を超える(不確実な)事態に遭遇し最悪の場合、倒産することになるのではないかと思います。 そして、サブプライム問題は、 ・リスクを分解し合成出来るという考え方は限定的にしか成立しないこと ・格付は過去の実績に基づくもので、未来を平均的に説明するだけということ を「忘れ去り」、格付を妄信するという、一種思考停止状態に陥った結果起きたのではないかと思います。

評価:ユーザ評価は5.0点です 住専問題について読んでください 2008-04-27

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日本の住専問題は農協の融資の焦げ付き問題だったものを関係者が難しくしただけで、アメリカの赤字拡大もアジアの国々が借金をしてまで設備投資しなくなった分の資金が流れただけとあったのを見てとても納得しました。 不思議なのは、大手銀行は情報が公開され、ことあるごとに社会から非難を受け、改善努力しているのに、なぜ農協は改善努力していても、あの当時から今日まで一部の専門誌で取り上げられる以外、表立った非難も、大々的な情報公開もないのだろうかと思いました。 ただ、戦争の経済学という書物は値段的にも一度読む価値があります。

評価:ユーザ評価は4.0点です 現代によみがえるフランク・ナイトの「不確実性」理論 2008-02-13

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 本書におけるキーパーソンの一人であるフランク・H・ナイト(Frank Hyneman Knight, 1885‾1972)は、後にマネタリズムの巨人、ミルトン・フリードマンを生んだシカゴ学派の創建に関わった人物として知られている。しかしながら、彼は、巨星フリードマン等の陰にあって、多分、「制度学派」関連の論及を除いて、重厚長大型の学説解説書においても数行で済まされるような、謂わば「忘れられた経済学者」と見られなくもない。  だが、当書で語られているように、もう一方のキーパーソンであるアラン・グリーンスパン前FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)議長によって、ナイトは図書室の眠りから覚まされ、見事に“復権”を果たしたと言えなくもない。金融政策において、その功罪はともかく、金融危機に関する独特の嗅覚、「伝説的な危機予知能力」(P.230)を持っているといわれるグリーンスパン前議長が、何故「ナイトの不確実性」に言及したのか…。  あまり詳しく解説を行うと、本書の価値を毀損するのでそれは避けるが、ナイトの考え方について、当書の叙説に沿って一言で言い表すならば、ナイトの経済理論の核心は、“経済における不確実性(uncertainty)”の問題である。そして現在、不確実性の下での投資家などの行動が金融危機等を現出、増幅させている、として、書架の奥からナイトが引っ張り出され、グリーンスパン前議長の発言等に度々登場するのである。  ナイトの所説が現実の金融経済等に適用可能な理論として立証されたのか、それとも現実の金融経済等がナイトのセオリーを結果的に証明したのか、その辺りに関して当書ではアバウトな論評しか施していない。それは学術書の体裁を取らない、一般読者を対象とした新書版故の限界であろう。従って、経済専門書というより、1997〜98年における金融危機等の検証を踏まえた経済評論として読み進めていく方が良いだろう。

評価:ユーザ評価は4.0点です 不確実性にどう立ち向かうか 2008-01-27

0人中 0 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

 1997年のアジア通貨危機と日本の金融危機によって、世界はどう変わったのか。本書では、「ナイトの不確実性」をキーワードに、これを読み解く。  ナイトの不確実性とは、グリーンスパンの言葉によれば、確率分布が既知であることによって限定された不確実性(リスク)とは異なり、結果についての確率分布が未知であるような不確実性のことをいう。世界がナイトの不確実性に過度に覆われると、「最悪のシナリオ」における損失を最小化しようという原理が働くため、各経済主体は防衛的な行動をとることとなり、通常の危機に対する市場の機能は、むしろ弱まることになる。  1997年のアジア通貨危機が生み出した「世界的な貯蓄過剰」は、現在のところ、資本市場の透明性の高い米国の存在によって均衡が保たれている。しかし、過剰な貯蓄は、昨今のサブプライム・ローンの問題にもつながっており、米国の対外債務の拡大は持続可能なのか、というより大きな不確実性が世界経済に蔓延すれば、金利の先高感によって、これまでの均衡は維持されなくなるかも知れない。仮に政府の積極的な景気対策によって、米国の景気が立ち直ったとしても、主要国の中で唯一楽観的であった米国経済がナイトの不確実性に晒されたという事実はトラウマとして残り、世界経済の成長にとっての重しとなるかも知れない。  楽観的な予測を付け加えれば、ナイトの不確実性のような事象が存在するとしても、歴史の経過によって、人類はその不確実性への耐性を身に付けることができるだろう。問題は、不確実性を前にした経済主体が過度に消極的となり、「合成の誤謬」によって、マクロ経済の循環に変調を来すことである。日本経済は、内需主導で持続可能性のある景気拡張過程に導いていくことにより、世界経済の中で一定の役割を担うことが求められる。

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