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カスタマーレビュー数:13
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6位
海外留学・ロングステイ >
8位
子供を教育するとはどういうことか?
2003-05-07
45人中 42 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
近年自己の判断基準のみで様々な行為を行う若者が急速に増えつつある。一般的な基準から言うと「なぜ?」と思われる理由で殺人や、マナー・ルールの違反といったことが平気で行われる。こうした問題を見据える上で本書は大いに参考になると思う。本書はイギリスの社会の中心を担う人々が通うパブリックスクールでの教育の実体について紹介・解説したものだが、そこでは現代日本の教育とはまさに対称的な方針が貫かれている。「厳しい規律による自己否定徹底」。これは若者に「自由と自己表現」の場を与えようとする現代の日本の教育とは180度異なる。子供への窮屈な圧迫が、子供の将来の可能性を摘み取ると考える日本人に対して、イギリス人は子供を大人になるための準備段階であるととらえ、社会㡊??生き抜く上で必要なことを叩き込むということを教育の中心に据えている。そしてパブリックスクールでは厳格なルールの下で「規律ある生活」のできる人間が育成され、そうした子供たちが英国で真に「自由」な社会を形作る「核」となっていったのである。初版は1949年の本書であるが、現代教育を再検討する上で、基準となるべき明確な真理が数多く盛り込まれている。
人はいかに生きるべきか
2001-04-05
39人中 36 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
30年前、高校へ入学した時に教科書と一緒に強制的に買わされた。読みもせずにしばらく放ってあったが、偶然読み始めたらおもしろくて一気に読了した。英国のエリート学校であるパブリックスクールでの生活を紹介した本である。英国の上流階級の教育理念がよくわかる。中に挿入されているエピソードがそれぞれすばらしい。蝶の採集に出かけた師弟が出先で第一次大戦の勃発のニュースを聞き、その足で従軍志願する。二人が途中の郵便局でそれぞれの家に事情を説明する手紙を書きながら師が弟をそっとみると肩がわずかに震えている。その後一度だけ前線の塹壕で出会ったとき、弟の顔にはすでに少年の面影はなかった。結局弟は帰らず、師は片足を失って帰還する。弟の戦死を聞いた時、師は「英国に自転車が二台無駄になった」とやせ我慢を言う。全編に流れる基調は「ノブレスオブリージュ」。平素優遇されている貴族階級は、国家の危機に際して先頭に立って死地に赴くのを当然とする考えである。古き良き英国の雰囲気を伝える好著である。人が生きてゆくのになにを大切にしなければならないかをわたしはこの本から教えられた。これから世に出る若い人にぜひ読んでもらいたい一冊。
イギリスの「国家の品格」の背景
2006-09-02
23人中 19 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
最初に読んだのは、高校の頃。入学時に無理やり読まされた記憶があります。久しぶりに読み返し、その内容の面白さ、文章の深みに驚きました。 初版は60年近く前。カナもふられていない難しい漢字が満載で、文体が古臭い箇所もあり、読むのに少々骨が折れます。 英国の私立の中学・高校に相当するパブリックスクールで学んだ著者が、その経験をもとに、英国のエリートがどのような環境で育まれるのかを述べています。 藤原正彦氏が『国家の品格』の中で書かれているように、真の意味でのエリートが本当に学ばなければならないものを教えてくれます。 本来、教育とはどうあるべきか、ノブレス・オブリージュとはどういうことか、など、内容が詰まった書です。 「自由は規律をともない、そして自由を保障するものが勇気である」 時間を掛けてしっかりと読みたい良書です。
知識人の雰囲気
2001-12-11
15人中 12 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
戦前の日本にも、落ち着いた生活や精神があったと感じることがある。 いまでは死語のような「知識人」のことである。 たとえば、慶応の塾長だった小泉信三氏などは、 こうした雰囲気を著書の形でいまに伝えている。 そうした人々と似た雰囲気は、この本にもあり、 共通しているのは、英国風ということなのかなと思う。 ひところ流行だった英国ブームがただの憧れだとしても、 戦前の知識人はもうすこし血肉になる共感の仕方をしたように思う。 その根本がパブリックスクールにあったのかと 目をひらかれたのが本書だった。 ところで本書の中ほどに、 ちょっとほかとは違った トーンの記述がある。 運動競技を重視するあまり、 ほかのことがおろそかになる という話である。 母校の名誉をかけた試合に欠席は許されない「雰囲気」があるという。 強制はされない。 しかしこの雰囲気に抗うことは不可能だと。 「雰囲気」というものが「空気」と同じものだとするなら、 「空気」は日本固有のものではなく、普遍性を持つのかもしれない。 同質性を重んじる社会では、 普通に存在するのだろうか。 芸術に才能をもつ生徒は、周囲の無理解や侮りを受けるという。 通学生なら家で才能を磨くことも可能だが、 パブリックスクールは全寮制。 スポーツにたいする万雷の拍手に抗して、 己の才能を研磨することは難しいらしい。 いままであまり気づかなかった箇所だけに、 ちょっと異様な印象を受ける記述である。
イギリスは今も「自由と規律」は健在か
2005-06-25
11人中 10 人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
自由を謳歌するには規律が絶対的な必要条件になる、という厳然たる定理を教えてくれる本です。本書が書かれたのは終戦直後の1949年、今もパブリック・スクールは相変わらずこのような禁欲的な、インテグリティを重んずる人間を育てているのだろうか、と疑問に思いつつ、まるで別世界のお話のように楽しめました。特に、著者が英語の個人教授を受けている間に起きたエピソードはまるで、それだけで一編の短編小説のような鮮やかな展開です。よき師に出会うことの僥倖を感じさせてくれます。